ウッドマイルイズ

環境に配慮した住空間を実現していくために、何か新しいシステムや手法をとりいれる考え方もありますが、わたしは今一度まわりにある資源(国産素材、空き家)に目を向けてそれらをどう活かし再生させていくかを考えたほうが全体がよくなっていく気がしています。


みなさん「ウッドマイルズ」という言葉はご存じでしょうか?

日本は森林大国でありながら輸入木材にたよっているのが現状です。木材輸送中は大量の化石燃料を燃焼させ大気中に温室効果ガス(二酸化炭素)を放出させて運ばれてきます。

この木材の輸送距離を「ウッドマイルズ」といいます。海外から船便でやってくる木材は大量に運ぶことができるというメリットもありますが、今ある資産(空き家)を活かし補修していくと考えればそんなにたくさんの木材が必要なのか?近くの木で建設することで、携わった方々の顔が見えて愛着がわき丁寧な施設利用につながったり、身近な山の手入れが行き届き、山の循環につながったり、職人さんの仕事を生み出し地域経済の活性化につながったり、目に見えるやりがいを感じることが出来れば林業を志す人たちも増えていくのではないかと思っています。

先日山梨県にあるギター工房を見学させていただいた際も職人さんから同じようなエピソードを聞きました。

燃料の高騰で輸入の木材が手に入らくなり、日本にいるギター制作者の中で国産材を使おうという試みが広がっているそうです。

寒い地域で育ち木目のつまった木材や火山灰に埋もれていた樹齢数百年の木材を見せていただきました。ギター制作中にでた木の欠片も大切に利用していて、お家のカラトリー(箸、スプーンなど)はこういった木片で手作りしているそうです。

丁寧なものづくりをする日本の職人さんはとても人気で海外アーティストからのオーダーも多いそうです。

これからは風土を活かし小さく丁寧にモノゴトをすすめていくことがキーワードになりそうです。